手長神社の七夕 乞巧奠(きっこうてん)
草木染め
上諏訪駅から15分ほど歩いた茶臼山という高台にある手長神社。
毎年7月に行われる七夕には、京都の冷泉家に倣って「乞巧奠」の飾り付けが行われます。
芸事や手習いの上達を願って行われるこの「乞巧奠」に、私も洋裁や染めの上達を願い五色の絹糸を奉納いたしました。
地元の素材にこだわり、絹糸は岡谷の宮坂製糸所さんの糸を使用し、赤はそよごで、緑系は桑の葉で、黄は諏訪市の市木であるキハダで染めました。
(唯一紫根だけは染色材料屋さんから購入しましたが…)
「暁の静かに星の別れかな」という子規の句が書かれた、美しい緑の梶の葉を添えていただきました。
神社のご神文として用いられている梶の葉です。
平安貴族たちは梶の葉に願い事をかいて川に流していたそうですし、江戸時代になるとこの風習が庶民の間に広がり「梶の葉売り」もいたといいます。
7月の深い緑に囲まれた手長神社は静かに、そして厳かな佇まいで私達を迎えてくれ、忙しさに取り紛れてざわざわしていた気持ちをすっかりリセットしてくれました。